猶予期限迫る!平成23年改正水濁法(有害物質地下浸透防止)について詳しく説明します。

 目  次 :  1) 「地下水汚染を未然に防止したい!」それが背景  / 2) 地下水汚染はどうやって起こるのか  / 3) H23年改正水濁法の重要ポイントは4点  / 4) A基準、B基準、C基準について


有害物質を扱ったり貯蔵したりしている施設(有害物質使用特定施設および有害物質貯蔵指定施設)に対し  「施設の構造等に関する基準の遵守」 と、 「定期点検の実施を義務付ける制度」 が改正されました。
これが、有害物質による地下水汚染対策として公布された、平成23年6月の「改正・水質汚濁防止法」です。 この法律においては、平成27年5月末日で構造基準適用の猶予期限が終了しました。
必要な措置を取っていない場合罰則が適用される場合があります。
有害物質を扱ったり貯蔵したりしている施設の関係者の方は是非ご参考下さい。

(1) 改正水質汚濁防止法の背景と目的

1) 「地下水汚染を未然に防止したい!」それが背景です。  地下水は
 ・一度汚染されると回復が困難です。
 ・汚染源の特定が困難です。
 ・自然浄化による水質改善が期待できません。

 地下水は都市の貴重な淡水資源であることから、地下水汚染の未然防止が重要です。

2)地下水汚染はどうやって起こるのでしょう?  ・パッキンや配管継ぎ目等の劣化からの意図しない漏洩
 ・移し替えやバルブ操作の時に発生する意図しない漏洩
 ・床面コーティングの劣化や亀裂等による意図しない漏洩
 意図せず起こることだからこそ「未然防止」が必要です。
 これらH20年度末までの調査を踏まえ、H23年の水濁法改正が行われました。

3)H23年改正水濁法の重要ポイントは4点  ① 届出対象施設が拡大されました。
 ② 構造等に関する基準の順守義務が課されました。
 ③ 定期点検の実施・記録の保存の義務が課されました。
 ④ 既存の施設に対する猶予期間が設定されました。(平成27年5月末まで)

以下、このポイント4点について解説します。

① 届出対象施設は ●「有害物質使用特定施設」と「有害物質貯蔵指定施設」が対象です。

有害物質使用特定施設とは : 有害物質を製造したり使用したり、処理したりする特定施設です。
有害物質貯蔵指定施設とは : 有害物質を含む、液状のものを貯蔵する指定施設です。

 ①-1 固体、気体は対象外です。
 ②-2 有害物質は水濁法施行令により、カドミウム他28物質が指定されています。


② 構造等に関する基準は ●「漏洩防止」ではなく「地下浸透を防止する構造」が基本です。

 ②-1 「施設本体」 「床面と周囲」 「配管と排水溝」 が構造基準の適用対象です。
 ②-2 「構造」 と 「それに応じた定期点検」 の組み合わせで考えます。


③ 定期点検の実施は ●構造に見合った頻度と方法で行い、記録の保存は3年間です。

 ③-1 点検は 「目視」 が基本です。構造に応じて目視の頻度を検討します。
 ③-2 目視点検が出来ない場合は漏洩を検知するセンサーの設置等を行います。
 ③-3 後段に 「流出防止用受け皿」 を設け、その受け皿の点検をするのも一つの方法です。


④ 既存の施設は ●構造基準適用の猶予期限は平成27年5月末までです。

 ④-1 必要な措置が取られていなければ、罰則の適用対象となります。
 ④-2 管理責任は施設等の設置者にあります。
 ④-3 「点検方法、回数」 「漏洩時の応急処置」 等 「管理要領」 の作成が必要です。
 ④-4 設備を改善することで 「構造等に関する基準」 をクリアすることも出来ます。


★ここを押さえて下さい!基本的な考え方「 た ち つ て と 」  

た

: 対象は 「本体」 「床面・周辺」 「配管・排水溝」。
 

ち

: 「地下浸透防止」 が目的であり「漏洩防止」ではない。
 

つ

: 「常に流動している」 施設は「貯留・貯蔵施設」ではない。
 

て

: 「定期点検」 と 「記録保存」 が義務化。点検の基本は 「目視点検」。
 

と

: 特に脆弱性の大きな個所には注意や工夫を講じる事!

4)A基準、B基準、C基準について( 既存の施設に対する猶予期間に関わる事項 )
法改正時、既に存在していた施設は対応が困難です。この困難性を考慮し、適用基準を複数設けています。

A基準の例1

A基準 平成24年6月の法施行後に新設される施設に適用される基準です。
地下浸透防止対策を施し、定期点検の頻度は最も少なくなります(1年に1回以上等)




B基準の例1

B基準 平成24年6月の法施行時点で既存の施設を対象とした基準です。
平成27年5月末の適用猶予期間までに「点検頻度・点検内容」を充実させる必要があります。
適用猶予期間までに「構造」を改善すれば、A基準の適用が可能になります。



C基準の例1

C基準 平成24年6月の法施行後、既存の施設に3年間適用出来る措置です。
平成27年5月末の適用猶予期間までの経過措置です。(期間限定) 「点検頻度・点検内容」はA基準、B基準よりも充実させる必要があります。
適用猶予期間までに「構造」を改善すれば、A基準、B基準の適用が可能になります。

諸般の事情により、構造等に関する基準の適合猶予の3年を経過しても構造等の変更が出来ない場合、やむを得ず点検内容を厳しくすることにより対応する場合もあります。


このA、B、C基準に応じて点検を行い、記録を保存することが義務付けられました。 C基準は構造等の改善や点検内容の工夫をしなければ、平成27年6月以降、原則として使用することはできません。

次回は 「構造基準(今回解説したA基準、B基準のことです)に応じた管理要領」 をご紹介します。
「構造基準」 と 「点検管理」 はセットで考える、という点についての解説です。

環境省の、水・大気環境局 土壌環境課 地下水・地盤環境室 から出されている「地下水汚染の未然防止のための構造と点検・管理に関するマニュアル」は こちら からご覧いただけます。

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